シー・シェパード、日本の捕鯨船発見できず 豪政府に支援要求
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【2月16日 AFP】米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」創設者のポール・ワトソン(Paul Watson)船長は15日、南極海(Southern Ocean)で調査捕鯨を行っている日本の捕鯨船を発見できずにいることを認め、オーストラリア政府に支援を求めた。
シー・シェパードの抗議船「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)号」は、昨年12月に調査捕鯨を再開した日本の捕鯨船を妨害するため、1月18日にウエスタンオーストラリア(Western Australia)州から出航し、南極海へ向かった。
しかし、ワトソン船長は「日本の捕鯨船は南極海における違法操業域を大幅に拡大している。このため、見つけるのが非常に難しくなっている」と述べた。
オーストラリアは日本に調査捕鯨の中止を求める国際的な取り組みで主導的な役割を果たしている。先に、税関の監視船を南極海に派遣して調査捕鯨を監視する考えも示していたが、現在のところこの提案は実現していないもようだ。
ワトソン船長は「シー・シェパードとしては、オーストラリアかニュージーランドが国際捕鯨委員会(IWC)の責任ある加盟国としての義務を果たし、日本の捕鯨船を妨害するための船を派遣すると予想していたが、両国ともそれをする気はなさそうだ」と指摘。その上で豪政府に対し、「両国が拒否した仕事をシー・シェパードが遂行できるように」捕鯨船の正確な位置をシー・シェパードに提供することを要求した。
ただ、この件について問われたオーストラリアのグレッグ・ハント(Greg Hunt)環境相は15日、あいまいな態度で明確な回答を避けた。豪環境省の報道官はAFPの取材に「調査捕鯨の名目で鯨を殺す行為は、いかなる形式であっても認められない」「日本には今後も、鯨を殺さないやり方での調査を求めていく」などと語った。(c)AFP