【2月9日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、中南米を中心に世界各国で感染が広がるジカ熱の対策費用として、18億ドル(約2080億円)余りの緊急資金の拠出を議会に求める方針を明らかにした。

 ホワイトハウス(White House)は、ワクチン研究や蚊の駆除計画など「必要不可欠な戦略」のため資金が必要だと訴えている。オバマ大統領は、議会に近く正式な要請を行う見込みだ。

 蚊が媒介するジカ熱は、致死性こそ低いものの、頭部と脳が異常に小さい状態で生まれる小頭症の新生児が中南米で急増していることとの関連性が指摘されている。妊婦がジカウイルスに感染すると胎児にうつるとみられている。

 米疾病対策センター(CDC)はこれまでに、米国に帰国した旅行者50人のウイルス感染を確認。南部テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)郡では少なくとも1人の感染者について、性交渉による人から人への感染が疑われている。

 ジカ熱の治療法やワクチンは確立されていないが、感染しても大半の場合症状は軽微。ただ、ウイルスを媒介するネッタイシマカは米国の南部・東部に広く生息しており、ホワイトハウスは、春夏が近づくにつれて蚊の発生数が増えるとして、「米本土、特に南部での感染抑制や迅速な対処に向け、万全の備えを講じなければならない」と警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Andrew BEATTY