【2月8日 AFP】イタリア・セリエAでは7日、第24節のナポリ(SSC Napoli)対カルピFC(Carpi FC)戦のキックオフ前に、サン・パオロ・スタジアム(San Paolo Stadium)に詰めかけた数千人のナポリファンが、先日の試合で人種差別を受けたセネガル代表DFのカリドゥ・クリバリ(Kalidou Koulibaly)の顔写真を掲げて激励した。

 ナポリのマウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督は、1-0で勝利を収めて昨年王者のユベントス(Juventus)と勝ち点2差の首位を守った試合後、「今日みせてくれたファンの行為は最高だ。素晴らしい人格を持つ一人の男に対する彼らの愛情を示すものだ」と報道陣にコメントした。

 伊サッカー界では、3日に行われたラツィオ(SS Lazio)戦において、フランス出身でセネガル代表のクリバリが人種差別的なチャントを受けるという事件が発生した。

 この試合を担当したマッシミリアーノ・イラッティ(Massimiliano Irrati)主審は、リーグ規則に従い、試合を3分以上中断して、ののしりをやめるように要求した。

 この問題でラツィオには罰金5万ユーロ(約650万円)が言い渡され、リーグ戦2試合で本拠地スタディオ・オリンピコ(Stadio Olimpico)のクルバ・ノルド(Curva Nord、北側スタンド)は全て閉鎖される見込みとなっている。

 イタリア語で「青い血が流れる者たち」と称する一部のサポーターグループは後日、ナポリのファンに対してクリバリの顔写真を持ち、同選手を全面的に支援するように呼び掛けていた。

 そして、降格圏に沈むカルピを本拠地に迎えたこの日の試合前、この呼びかけに応じた数千人のファンがクリバリの顔写真を掲げてスタジアム全体を埋め尽くした。

 クリバリは自身のインスタグラム(Instagram)に、「忘れられない光景だった」と投稿した。

「ファンのみなさんに感謝する。この思い出に残るような自発的行為は、サン・パオロ・スタジアムをさらに特別な場所にしてくれた」

(c)AFP