【2月5日 AFP】世界銀行(World Bank)は4日に公表した報告書で、シリア内戦が同国および周辺国にもたらした経済的損失は約350億ドル(約4兆900億円)に達し、現在も上昇し続けているとの見解を示した。

 国連(UN)の統計によれば、5年間におよぶシリア内戦では約26万人が死亡、460万人が国外への避難を余儀なくされている。

 世界銀行は、シリア内戦による同国と周辺国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトへの(経済的な)影響は生産量にして「350億ドル近く」に上るとし、さらに、これは2007年の物価を基にすると、シリアにおける2007年の国内総生産(GDP)に相当する額だと述べた。

 隣国ヨルダンでは、63万人以上のシリア難民の流入で、1年あたりの財政負担は同国GDPの6%に当たる25億ドル(約2900億円)に上るという。

 報告書は、周辺国はどこもシリア内戦のために膨大な財政圧力に直面しているとの見方を示しいる。(c)AFP