【2月4日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は3日、2009年の就任後初めて国内のモスク(イスラム教礼拝所)を訪れ、次期大統領選で野党・共和党の候補がイスラム教徒の米国人に対して「許し難い」発言を行っているとして強く非難した。

 共和党の大統領候補指名争いでは、不動産のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がイスラム教徒の移民の入国禁止を要求して保守派の支持獲得を狙っているほか、初戦のアイオワ(Iowa)州党員集会を制したテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員もキリスト教徒のみの受け入れを訴え、「ユダヤ・キリスト教の価値観」を掲げている。

 イスラム教に改宗した祖父を持つオバマ大統領は、メリーランド(Marlyand)州ボルティモア(Baltimore)にある「イスラム・ソサエティー・オブ・ボルティモア(Islamic Society of Baltimore)」のモスクを訪問。地元の指導者らと面会したほか、米国民に対して「偏見の傍観者」とならないよう呼び掛けた。

 さらに、「イスラム教徒の米国人に対する許し難い政治的発言が聞こえてくるが、わが国にこうした主張が受け入れられる余地はない」と強調。「一つの信仰に対する攻撃は、われわれの信仰全てに対する攻撃だ」と批判した。

 オバマ氏は、大統領としてマレーシア、インドネシア、エジプトのモスクを訪問しているが、2000か所以上ある国内のモスクを訪れたのは今回が初めて。

 オバマ大統領は、「イスラム教徒の米国人があまり聞いたことのない言葉、それは『ありがとう』だ」と述べ、イスラム教徒が米国を「一つの家族」としてまとめる一助になっていることへの謝意を表明した。

 米ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が3日に公表した世論調査によると、「少なくとも一部」の国内イスラム教徒が反米的な感情を持っていると考える米国人は全体の49%前後に上っている。(c)AFP/Andrew BEATTY