【2月3日 AFP】ラグビーイングランド代表の伝説ジョニー・ウィルキンソン(Jonny Wilkinson)氏は、エディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が新指揮官に就任した代表チームについて、いきなり状況が好転することを期待するのは間違っていると警告している。

 2015年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、日本代表を史上初の予選プール3勝に導いた経験を持つジョーンズHCは、今週末に開幕するシックスネーションズ(Six Nations Rugby)のスコットランド戦で初采配を振るう。

 そのイングランドは、W杯では史上初めて決勝トーナメント進出を逃した開催国となり、スチュアート・ランカスター(Stuart Lancaster)HCの後任にジョーンズHCを招へいした。ジョーンズHCは、イングランドが戴冠を果たした2003年のW杯で、決勝の対戦相手だったオーストラリアのコーチを務めていたことで知られる。

 13年前のオーストラリア戦で、決勝のドロップゴールを決めたウィルキンソン氏は、イングランド、そしてこちらも新たにギー・ノヴェス(Guy Noves)氏をHCに迎えたフランスには、がまんが必要だと考えている。

 英テレビ局ITVの番組で、ウィルキンソン氏は、「非常に難しいバランス取りを強いられる。どちらもかつては強力な代表チームを有していて、いい結果を出すのがごく当たり前だった」と話した。

「チームのレベルの高さを長きにわたって維持するには、底上げ方式での強化が必要になる。2、3週間の練習や、1つか2つ厳しい言葉をかけるだけでできるものではない」

「多くの場合、出だしはそう難しくない。気持ちの高揚や活力、自分の力を証明したいという思いが混ざり合って、普段では考えられないような力が出せるからだ」

「しかし、大会の残りの試合やその先はそうはいかない。いい指導ができているか、選手をうまく管理していい準備ができているかは、そこで問われる」

「どちらのチームも意欲十分で大会に入るだろう。このレベルでは、100パーセントか、それともゼロかという話になる。つまり、こうと決めたら必ず全力で取り組み、プランやチーム、自分自身を最後まで信じるしかないんだ」

 ウィルキンソン氏は、ジョーンズHCから臨時のキックコーチに指名されている。2003年を最後にシックスネーションズの全勝優勝(グランドスラム)はないイングランドだが、同氏は、優勝のためにはとにかくスタートダッシュが肝心だと話している。

「一番早くまとまったチームが、一番手ごわくなるだろう」

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