【2月3日 AFP】欧州連合(EU)の欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)は2日、英国をEUに引き留めるための提案を公表した。今月18、19両日に予定されるEU首脳会議での妥結を目指し、2週間にわたる厳しい交渉が始まった。

 トゥスク氏の提案では、EU域内からの移住労働者を対象とした社会保障給付を「緊急措置」として4年間制限することの容認や、ユーロ圏外の加盟国に対する保護策などが盛り込まれている。後者では各国議会に対し、EU側から提出された法案を拒否できる「レッドカード」制度を認めるとした。

 EUからの離脱の是非を問う国民投票の6月実施を目指すデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、トゥスク氏の提案について、「真の前進」を示すものだと評価。国民投票で残留を訴えていく公算が大きくなった。

 一方、英国内のEU懐疑派は空疎な内容だとして提案を一蹴。また一部のEU加盟国からは英政府があまりにも多くの譲歩を勝ち取っていると不満の声も上がっており、首脳会議に先立って提案を売り込んでいくことは容易ではないとみられる。(c)AFP/Danny KEMP