【2月2日 AFP】深いジャングルの中を、ジェラルド・ムキサ(Gerald Mukisa)さん(50)は乾いた葉を足で蹴りながら音を立てて歩いた。暑い夕方は「蛇の出る時間」だと知っているからだ。

 ここはウガンダの首都カンパラ(Kampala)から25キロほど離れたジカ(Zika)の森。蚊が媒介するジカウイルスが1947年に初めて発見された場所だ。

 この森の警備員として7年間働いてきたムキサさんがジカウイルスについて知ったのは、ほんの2週間前だ。

 ジカの森はつい最近までほとんど知られておらず、訪れるのはバードウォッチャーか科学者ぐらいだった。

「学生たちが毎週、世界中からやって来る」と、ムキサさん。自慢げに見せてくれたゲストブックには、米国やカナダ、フランス、ドイツなど各国からの訪問者たちがサインやコメントを残していた。「ここにはとても多くの種類の木があり、あらゆる種類の鳥がいる」のだという。

 ジカ熱に感染しても、地元ではほとんどの場合、発疹や発熱、目の充血など軽い症状で終わっていた。2007年にミクロネシアのヤップ(Yap)島で大流行が起きるまで、国際的な保健当局もほとんど問題にしていなかった。

 だが、ブラジルで昨年からジカ熱が大流行し、何千人もの新生児が小頭症で生まれた原因とされている。

 ウガンダの保健省は、国内にジカ熱の感染者はおらず、南北アメリカ大陸で現在起きている大流行は東アフリカから広まったものではないと指摘。「私たちはこの何年間も感染者を確認しておらず、ジカ熱の大流行も起きていない」との声明を出した。