【1月26日 AFP】英国人の元将校で探検家のヘンリー・ワースリー(Henry Worsley)さんが、世界初となる無支援での南極単独横断への挑戦中に死亡した。55歳だった。妻のジョアンナ(Joanna Worsley)さんが25日、明らかにした。今回の挑戦は、英王室のメンバーも後援者となっていた。

 ワースリーさんは南極点経由で南極大陸の無支援・単独踏破を目指していたが、ゴールまでわずか48キロの地点で疲労と極度の脱水状態から救援を要請。22日、南米チリの病院に飛行機で搬送された。しかし、治療のかいなく、同国プンタアレーナス(Punta Arenas)の病院で臓器不全により亡くなった。病院側の発表によると、死亡時刻は24日午後だった。

 ジョアンナさんによれば、ワースリーさんは傷痍(しょうい)軍人の支援団体「エンデバーファンド(Endeavour Fund)」のために寄付金10万ポンド(約1680万円)を集めた。団体は英国のウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)夫妻やヘンリー王子(Prince Harry)が支援しており、今回の訃報を受けてウィリアム王子は声明を出し、ワースリーさんを追悼するとともに、その南極横断の試みをたたえた。(c)AFP/Miguel SANCHEZ