【1月22日 AFP】南アフリカの当局は21日、同国で昨年、1200頭近くのサイが密猟で殺されたと明らかにした。2014年よりわずかに減少したものの、アジアを中心にサイの角への需要が高いことが、こうした密猟の背景にあるという。

 サイの密猟が急増し始めた2008年には、殺されたサイの数は100頭以下だったが、2014年には過去最高の1215頭に上った。

 中国やベトナムでは、薬効成分があるとしてサイの角が珍重されており、こうした国々での需要がサイの密猟を助長してきた。

 野生動物取引の監視団体「トラフィック(TRAFFIC)」によると、隣国ジンバブエやナミビアでの密猟は増加しており、アフリカ全体では昨年、サイの密猟数は過去数十年で最も多かったという。

 エドナ・モレワ(Edna Molewa)環境相は、首都プレトリア(Pretoria)で記者団に対し、「我が国のサイへの猛攻は、衰えていない」と認めながらも、昨年の密猟数が1175頭だったことは大きな成果だと称賛。「密猟の状況が、過去10年間で初めて横ばいになったと発表できて非常にうれしい」と述べた。

 環境相によると、2015年に逮捕された密猟者の数は317人で、2014年の258人から増加したという。(c)AFP/Béatrice DEBUT