【1月21日 AFP】トルコ西部イズミル(Izmir)の裁判所は20日、同国のレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に向かって「下品な手ぶり」をしたとして、経済学者の女性に1年近い禁錮刑を言い渡した。

 2人の子どもを持つフィリズ・アキンジ(Filiz Akinci)被告は、2014年3月、イズミルの地元選挙の集会に訪れたエルドアン首相(当時)のバスに向かって、侮辱的な手ぶりをした罪に問われた。

 トルコの通信社ドーガン(Dogan)によると、20日に開かれた6回目の審理で裁判所は、アキンジ被告に禁錮11月20日の有罪判決を言い渡した。当初は禁錮6月の判決だったが、「被害者」が公人だったことから裁判所は刑期を2倍にしたという。執行猶予は付けられなかった。

「私は無罪だ。罪を犯していない」とアキンジ被告は訴え、判決文が読み上げられる中、泣き崩れた。

 トルコではここ数か月、エルドアン大統領を侮辱したとして裁判にかけられる人が急増している。表現の自由が脅かされているとの懸念が高まっており、野党は独裁体制の強化だと政権批判を強めている。

 先週には、最大野党・共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール(Kemal Kilicdaroglu)党首がエルドアン大統領を「お粗末な独裁者」と呼んだことに対して、大統領への侮辱の疑いがあるとして検察当局が捜査を開始していた。(c)AFP/Dilay GUNDOGAN