■人間が戦争を起こす根源的要因

 人間が戦争を起こす根源的要因は、激しい論争の種になっている。事実、議論は人間性の本質そのものにまで及んでおり、人間は近縁種のチンパンジーと同様に、暴力を組織する能力を生まれつき持っているのか、もしくは、環境的な要因がそうさせるのだろうかといったテーマにも触れている。

 一部の人類学者は、人間が土地を耕すために定住したのに伴って所有の概念が発生し、それとともに戦争が起きるようになったことを示唆しているが、今回の研究結果は、人間がまだ主に遊牧生活をしていた1万年前に、すでに戦争が人間の特徴の一つになっていたことを強く主張するものだ。

 しかし、「集団虐殺」の理由は不明のままであり、この研究が、生まれか育ちかの議論に終止符を打つことはない。

 それでも、この集団の死が「集団間の暴力行為や戦争が太古の時代に存在したことの証拠だ」と、論文は結論付けている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux