【1月19日 AFP】世界全体の死産数は1日に約7200件、年間では約260万件に上るとする研究論文が19日、英医学誌ランセット(Lancet)に発表された。うち半数は出産中に死亡していた。

 論文によると、2000年には出産1000件当たり24.7人だった死産率は、2015年には同18.4人とやや減少している。また約98%の死産は、低中所得国で起きていた。

 しかし同誌の編集員、リチャード・ホートン(Richard Horton)氏とウダニ・サマラセケラ(Udani Samarasekera)氏は「本当に驚くべき数字は、出産時の死産が130万件もあるということだ。分娩開始時に生きていた子どもがその後、数時間のうちに、完全に回避可能な理由によって死亡することは、国際的に重要な保健医療問題だ」と述べている。

 同論文では、妊娠後期の3か月間または妊娠28週以降の胎児の死を死産と数え、それ以前は流産とした。研究の結果、死産で最も多かった要因は分娩が予定日から数日遅れる「過期妊娠」で、全体の14%だった。また2番目の要因は、母親の健康問題だった。

 また栄養状態や、肥満や喫煙といったライフスタイル的要因、糖尿病・がん・心疾患などの非伝染性疾患などはそれぞれ死産の要因の約10%、妊婦の年齢が35歳以上の高齢出産は6.7%を占めていた。

 一方、国別で死産率が最も低かったのはアイスランドで、出産件数1000件当たりの死産は1.3件だった。2位はデンマークで同1.7件。3位以降の上位は、フィンランド、オランダ、クロアチア、日本、韓国、ノルウェー、ポルトガル、ニュージーランドの順だった。

 対象となった世界186か国のうち最下位はパキスタンで、死産率は1000件当たり43.1件だった。(c)AFP/Mariëtte Le Roux