【1月19日 AFP】オランダの大学生5人のチームが大気汚染対策に使われるマスクに代わる独創的なアイデアを考案し、装着するとすぐに新鮮な空気を吸える「植物リュックサック」の開発を進めている。

 開発チームを率いるオランダ・デルフト工科大学(Delft University of Technology)のマルニクス・デクローン(Marnix de Kroon)さんは「このリュックサックは微粒子を除去して空気をきれいにします」と話す。

 この「プラント・バッグ(Plant Bag)」は、フィルターを通して取り込んだ外気をリュックの中に入っている植物の根に当てて微粒子などを除去し、きれいになった空気を装着者が呼吸できるようにする仕組み。

 プラント・バッグのアイデアはまだ初期段階だったにもかかわらずオランダの設計コンクールで優勝した。開発チームはすでに、試作品の製作という次の段階に移行している。

 デクローンさんは「どの植物が最も効果的に機能するかを試験中です。アロエが有望かもしれません」とAFPに語った。

 だがオランダの日刊紙トラウ(Trouw)によると、オランダの気象機関のある専門家は「微粒子の99.9%はフィルターだけで除去される」と述べ、このような設計はあまり意味がないと指摘している。

 だがデクローンさんは、肺に深く入り込み、さまざまな健康問題を引き起こす恐れのある最小サイズの微粒子を植物は捕捉すると主張している。

「この製品は、欧州ではそれほど急速には普及しないかもしれませんが、中国の北京(Beijing)やイランのテヘラン(Tehran)など深刻な大気汚染問題を抱える都市が主要な市場になるでしょう」とデクローンさんは話した。(c)AFP