■限界まで追い込まれる女子ツアー

 女子ツアーの年間スケジュールでは、グランドスラム最終戦の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)が終了すると、最後の月には「アジアツアー」が幕を開けるため、特に多忙となる。昨季はWTAツアー選手権の出場争いが最後までもつれ、選手たちはポイント獲得のために限界まで追い込まれることになった。

 今年の全豪オープンで故障者が大きな問題となるかは不確定だが、セレーナは昨年9月を最後に女子ツアーでプレーしておらず、不安の声が大きい。セレーナは、唯一出場を表明していたホップマンカップを辞退しており、全豪オープンの主催者は、同選手が「今は絶好調です」とコメントしている通りであることを期待している。

 一方、昨季はシーズンを通して故障に悩まされていたシャラポワは、昨年9月に痛めて今季開幕戦のブリスベーン国際(Brisbane International 2016)を棄権することになった左腕の前腕部について、順調に回復していると強調している。

 世界ランク2位のハレプは、昨年も痛めたアキレス腱の故障を抱えており、ブリスベーン国際は辞退したものの、シドニー(Sydney)で行われているアピア国際(2016 Apia International Sydney Tennis Tournament)に出場している。

 世界3位のムグルサは足の故障でブリスベーン国際を棄権し、同4位のラドワンスカも脚を痛めてアピア国際を欠場した。

 40代後半まで現役だったマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏は、昨年のWTAツアー選手権で、「故障で棄権する選手の数が多すぎる」と警告し、「長期的に考える必要があります。大会がたくさんあるのは素晴らしいことかもしれませんが、結局はプレーできる選手がいなければ、問題に直面することになります」と語っていた。(c)AFP