【1月15日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)で14日に起きた襲撃事件では、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の自爆犯や銃撃犯らが、欧米人1人を「処刑」し、米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)の店舗を爆破した。事件について警察は、昨年11月に発生したフランス・パリ(Paris)同時テロの手口と酷似していると指摘している。

 事件ではさらにインドネシア人男性1人が死亡、20人が負傷した。現場は商店や大使館、国連(UN)関連事務所などが集まっている地区で、襲撃によって交番も破壊された。インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は事件を「テロ行為」と断じている。

 警察によると、拳銃で武装した5人の実行犯らは当初、大型ショッピングモール近くにあるスターバックス店舗を標的にしていた。最初の爆発の後、武装集団はアルジェリア人ら外国人2人を人質に取った。もう1人の人質についてはカナダ政府がインドネシア当局からの情報として、カナダ人だったと発表している。

 国家警察報道官によると、アルジェリア人の人質は銃弾を受けてけがをしながらも脱出に成功したが、もう1人はその場で射殺された。「その直後に男2人がバイクで交番に突っ込んで自爆した」といい、警察官4人が重体となっている。

 同報道官は昨年11月にパリで130人が犠牲になった同時テロに言及し、「きょうわれわれが目にしたことから判断すると、この集団はパリの手口を踏襲している」という見解を示した。

 目撃者らは、スターバックスから男1人が出てきて、通行人に向かって発砲しては銃を再装填(そうてん)していたと話している。一方、治安要員らは車の後ろに身を隠しながら、男に接近していったという。

 襲撃が始まったころ近くの建物内にいたという人は、大きな爆発音を聞き「地震のように感じた」といい、「下の階に行くと外国人の姿が見えた。西洋人の男性だった。片手がひどい状態になっていたが生きていた」と語った。

 スターバックスの店員が片耳から血を流しながら出てきたため、中にけが人はいるのかと聞くと、「1人死んだ」と話した。「その後、人々が集まってきたところで銃を持ったテロリストが現れ、私たちとスターバックスに向かって発砲を始めた。すると、交番が爆発した」という。(c)AFP/Nick Perry/Dessy Sagita