急逝のD・ボウイさん、死をめぐり残る謎 把握は一部のみ
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■長年の友人も「驚き」隠せず
バン・ホーベ氏によると、手遅れにならないうちに「ブラックスター」と「ラザルス」を仕上げようとボウイさんは必死だったという。
ミュージカル「ラザルス」の12月7日のプレミア公演時、ほとんどの人は彼の健康状態の異変に気付いていなかった。
「レビューには、彼はとても元気で健康そうだと書かれていた。でも、ステージを一緒に降りたとき、彼は地面に倒れた。(その時)これが最後になるかもしれないとの考えが頭をよぎった」とバン・ホーべ氏は当時を振り返った。
ボウイさんのアルバム多数を手がけたプロデューサーのトニー・ビスコンティ(Tony Visconti)さんも、彼の病を知っていた1人だった。「彼の死は彼の人生となんら変わらない一つの芸術作品なんだ。彼は「ブラックスター」を僕たちのために作ってくれた。彼の置き土産だよ」
ボウイさんが自らの病気を隠していたことは、長年の友人でコラボレーターのブライアン・イーノ(Brian Eno)さんが、彼の死について「驚いた」と語ったことからも明らかだ。
英国放送協会(BBC)に対し、イーノさんは、ボウイさんから死の1週間前にEメールを受取ったと述べ、今になって思うと、それがお別れのメッセージだったのだろうと語った。
イーノさんは、「(その内容は)いつものように、おかしくてシュール、言葉遊びだの引喩だのいつも僕らがやっていたことについてだった。そして最後は『楽しいときをありがとう、ブライアン。ともに過ごした時はずっと朽ちないよ』との言葉で締めくくられていた。今思えば、彼はさよならを言っていたんだ」と話している。(c)AFP/Naomi O'LEARY