【1月13日 AFP】トルコの最大都市イスタンブール(Istanbul)の人気観光地で12日に起き10人が死亡した爆発について、同国政府は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のシリア人メンバーによる自爆攻撃だったとの見解を示した。死者のほとんどはドイツ人だった。

 ブルーモスク(Blue Mosque)などの歴史的建造物が集まるスルタンアフメット(Sultanahmet)地区で起きた爆発について、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は「シリア出身の自爆犯」による犯行と発表。一方、アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は、容疑者はISに所属していたとの見解を表明した。当局者らは、容疑者が1988年にシリアで生まれ、後に国境を越えてトルコ入りしたとしている。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は、爆発で死亡した10人のうち、少なくとも8人がドイツ人だったと発表。ただ、この人数は暫定的なものだとしている。一方、トルコ当局者は、死亡したドイツ人の数を9人としている。ペルー外務省も、爆発で自国民1人が死亡したことを確認した。

 またフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)独外相によると、これ以外にドイツ人9人がけがをしており、うち数人は重傷。トルコメディアによると、ペルー人観光客にも負傷者が出た。

 メルケル独首相は、犠牲者の遺族らに対する哀悼の意と同時に、トルコ市民との「連帯」も表明。「テロリストは自由な人々全ての敵であり、人間性の敵だ。シリアでもトルコでも、フランスでもドイツでも、それは変わらない」と語り、テロとの戦いに対するドイツの決意を強調した。

 ドイツ当局は事件の直後、イスタンブールを訪れている自国民らに対し、人混みや観光名所を避けるよう警戒を呼び掛けた。(c)AFP