【1月12日 AFP】フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が、英歌手のM.I.A.に対して、欧州を目指す難民を映し出しているミュージック・ビデオの「Border」から、同クラブのユニホーム着用した映像を削除するように抗議していることが判明した。

 M.I.A.は11日、PSGの副最高経営責任者を務めるジャン・クロード・ブラン(Jean-Claude Blanc)氏が、問題のビデオを削除することと、現在リーグ首位の同クラブが「損害を被った」ことに対して賠償することを求めた文書のコピーをツイッター(Twitter)に投稿し、「かくして、MIA対PSG問題が話し合われることに…」とコメントした。

 PSGは書簡で、M.I.A.が新曲のミュージック・ビデオの中で明らかにPSGや、スポンサー企業である米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)、カタール国立銀行(Qatari National Bank)などのロゴとわかるユニホームを着ている場面が2度登場することについて、「不愉快な驚き」を受けたと述べている。

 ユニホームの胸元に書かれた文字は、本来の「Fly Emirates(フライ・エミレーツ)」から「Fly Pirates(フライ・パイレーツ)」に変更されている。

「Border」のビデオでは、紛争や貧困から逃れて近年欧州へなだれ込んでいる人々のように、人々がフェンスをよじ登り、ボートに押し寄せる様子が描かれている。

 両親がスリランカ人で、マタンギ・アラルプラガサム(Mathangi Arulpragasam)という本名を持つM.I.A.は、楽曲の中で、「国境、どうなってるの?政治、どうなってるの?警官が発砲、どうなってるの?」と歌っている。

 書簡では、「驚いた以上に、なぜそのような主張に当クラブのロゴや公式ユニホームが使われ、われわれがパートナー扱いされたのか理解に苦しむ」と主張しているのに加え、貧しい人々や病気の子どもを救済すること、さらに「難民問題に関連して」フランスの慈善団体に100万ユーロ(約1億2800万円)を寄付することなど、PSG財団が行っている社会活動についても列記されている。

 PSG側は、M.I.A.が同クラブのブランドに損害を与えたと非難し、24時間以内にビデオを削除することをはじめ、PSGブランドの使用中止とクラブへの賠償を求めている。

 これに対してM.I.A.は、ツイッターで問題のユニホームを着た画像に、MIAvsPSGとつづって投稿している。(c)AFP