【1月7日 AFP】米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)は6日、2016年の殿堂入り選手を発表し、資格取得1年目のケン・グリフィーJr.(Ken Griffey Jr.)氏が、わずか3票足らずで満票を逃したものの、史上最多得票で選出された。

 全米野球担当記者協会(BBWAA)のベテラン記者によって投票された全440票のうち、グリフィー氏は437票を獲得して99.32パーセントの支持率を集めた。

 これまでの最多得票率は、1992年に殿堂入りしたトム・シーバー(Tom Seaver)氏の98.84パーセントだった。

 グリフィー氏は今回の選出について、「これ以上の驚きはない。とにかく選出されたことは光栄であり、史上最多の得票率を集めたことについてはまさかと思った」と語った。

 グリフィー氏は、強打者の捕手マイク・ ピアザ(Mike Piazza)氏とともに、7月24日に米ニューヨーク(New York)州クーパーズタウン(Cooperstown)の野球殿堂で行われる式典で表彰される。

 米大リーグ(MLB)のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、「ケン・グリフィー.Jrは、そのスイング、笑顔、そして素晴らしい才能で野球界を盛り上げ、史上最大の人気と尊敬を集めた選手の一人となった。本日発表された結果は、まさに当然のことである」とコメントしている。

 46歳のグリフィー氏は、シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)やシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)でプレーした22年間の現役生活で通算2781安打、大リーグ歴代6位の630本塁打を記録。オールスターには通算13回選出され、ゴールドグラブ賞(Gold Glove)に10回、シルバースラッガー賞(Silver Slugger)に7回輝いている。

 資格1年目で殿堂入りを果たすのは、グリフィー氏で史上51人目となる。一方、ピアザ氏は獲得票数365票で83パーセントの支持を集め、資格4年目での選出となった。

「信じられないほど格別だ。すごい」と喜んだピアザ氏は、通算427本塁打のうち捕手として大リーグ歴代最多の396本を記録している。

 今回の投票では、歴代最多本塁打を記録しているバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏と通算7度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)を誇るロジャー・クレメンス(Roger Clemens)氏が落選している。両氏は、ドーピング疑惑について裁判では無罪が確定しているものの、依然としてそのイメージがつきまとっている。

 しかしながら、ボンズ氏とクレメンス氏は当選に必要な75パーセントの支持に向けて票を伸ばしており、過去3回の投票ではいずれも37.6パーセント以上獲得していなかったものの、今回はクレメンス氏が45.2パーセント、ボンズ氏が44.3パーセントの支持率を獲得した。ボンズ氏は、資格が失効するまであと6年ある。(c)AFP