【1月7日 AFP】ドイツ西部ケルン(Cologne)で昨年の大みそかの夜、数十人もの女性が痴漢や性的暴行の被害を受けた事件が起きたことを受け、こうした被害を防ぐためとして同市市長が女性に対し行ったアドバイスが、インターネット上で冷笑を呼んでいる。

 アラブ系か北アフリカ系の外見をした男たちの犯行が疑われている大みそかの事件では、100件以上の被害届が出され、激しい議論を巻き起こしている。

 ヘンリエッテ・レーカー(Henriette Reker)市長(59)は、事件に関する5日の記者会見で、若い女性は見知らぬ人との間に「腕1本分の距離」を保っていればトラブルは防止できると発言。インターネットで怒りや冷笑の的になった。

 ツイッター(Twitter)のあるユーザーは、地下鉄で女性の隣に男性が座ると、女性は「直ちに窓をたたき割って腕1本分の距離を確保した。安全が第一!」とのジョークを投稿。

 また、人気SF映画シリーズ「スター・ウォーズ(Star Wars)」の悪役ダース・ベイダー(Darth Vader)や、アニメキャラクターのガジェット警部(Inspector Gadget)、ヒンドゥー教の神が腕を伸ばしている写真にレーカー市長の言葉を添えた画像を投稿する人々もいた。

 さらにツイッターでは「#einearmlaenge(腕1本分の距離)」というハッシュタグが生まれ、態度を改めるべきなのは被害を受ける女性たちではなく、加害者の男たちだという手厳しい批判も上がっている。(c)AFP