【1月6日 AFP】北朝鮮が小型化した水素爆弾の実験に初めて成功したと6日に発表したことに対し、原子力専門家らは、観測された地震の規模から推測して水爆よりも威力の弱い爆発だった可能性が高いとして、発表に疑問を投げ掛けている。

 オーストラリアを拠点に活動する核政策・軍縮専門家のクリスピン・ロベール(Crispin Rovere)氏は、核実験場のある豊渓里(プンゲリ、Punggye-ri)で観測されたマグニチュード(M)5.1の地震は、北朝鮮側の発表を裏付けるものとしては規模が小さすぎると指摘する。

「観測された地震データは、爆発が、水爆実験で予想されるものよりも大幅に規模の小さいものだったであろうことを示唆している」と、ロベール氏はAFPに語り「(北朝鮮は)第1段階の核実験には成功したものの、第2段階の水素爆発は完了しなかったのではないか」と述べた。

 米ランド研究所(RAND Corporation)の上級防衛アナリスト、ブルース・ベネット(Bruce Bennett)氏も、北朝鮮の発表に疑問を投げ掛けた。「本当に水爆だったら、M7規模になっただろう」とベネット氏はAFPに述べ、6日の爆発は、広島に投下された原爆よりもわずかに小さい10~15キロトン級だろうと推計した。

 韓国の情報機関、国家情報院(NIS)も、北朝鮮の発表を受けて韓国の議員らに行った説明で、水素爆弾の可能性は低いと評価している。

 一方ベネット氏は、実験の爆発の規模が徐々に大きくなっていると述べ、北朝鮮との境界に近い中国の住民が懸念しているように、地震の誘発や、地下実験場からの放射性物質の放出の恐れが高まっていると指摘した。(c)AFP/Hwang Sung-Hee