【1月1日 AFP】過去2シーズン、四大大会(グランドスラム)で男子シングルスを2度制したスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)は、同期間にロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)をしのぎ、テニス最高峰の大会で複数回戴冠を果たしたものの、再びメジャーのトロフィーを獲得するのは「至難の業」だと話している。

 世界ランク4位のワウリンカは、昨年の全仏オープンテニス(French Open 2015)決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に土をつけ、結果的に同選手の年間グランドスラム達成を阻んだ。

 アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)で、トップ選手6人によるエキシビションのムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship 2016)に出場するワウリンカは、ここまでの好成績をふまえても、2016年の目標は3度目のグランドスラム優勝ではないと話している。

 30歳のワウリンカは、アブダビの記者団の前で「トップ10に戻ってきたのは、ここ2年半~3年の出来事だ。今はトップ5にいる。2年間で2度のグランドスラム制覇を達成したが、今でも信じられないし、普通にできることじゃない。だから、グランドスラムでもう一度優勝するという目標を掲げるのは、難しい」とコメントした。

「それがどれだけ難しいことか知っている。大きなチャレンジだ。だから僕はそれを目標にしない。至難の業だからだ。目標はあくまで、グランドスラムに最高の状態で臨むこと。そうすればトップ選手に勝てることは分かっている。しかしそれには、1年間の綿密な準備が必要だ」

 ワウリンカは、母国スイスのジュネーブ(Geneva)でオフシーズンを過ごし、集中的な体づくりとテニス練習に励んだという。そして来週、4度目の優勝が懸かるチェンナイ・オープン(Chennai Open 2016)で、ATPツアーのシーズン開幕を迎える。

 スイスには、34歳の今もなお世界3位につけるフェデラーという圧倒的なスターが存在しており、常に2番手とみられているワウリンカだが、30代に入ってもフェデラーのようにトップレベルで戦い続けられるか聞かれると、「イエスと言いたい。これから何年間もプレーしていきたいと思っている」と回答した。

「自分ができる限りは努力していくつもりだ。でも、数年後にどのレベルにいて何位に入っているのか?それは分からない。それまでは自分の限界に挑戦するし、結果がついてくるかどうかだね」

 また、2008年の北京五輪で男子ダブルスの金メダルを獲得したフェデラーと共に、今夏のリオデジャネイロ五輪でもペアを組むのか問われたワウリンカは、「まだ分からないし、決まっていない」とすると、「その予定については年始に話さなくてはならないね」と答えをにごした。(c)AFP