【12月31日 AFP】イラクとシリアで3000人を超える少数派ヤジディー(Yazidi)教徒たちがイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に拉致され身柄を拘束されていると、ISに拘束された経験のあるヤジディー教徒の女性活動家が30日、訪問先のギリシャで明らかにした。

 この女性は、ISの残虐行為で甚大な犠牲が出ているイラクの少数派ヤジディー教徒のナディア・ムラド・バセー・タハ(Nadia Murad Basee Taha)さん(21)。タハさんはギリシャのアテネ(Athens)でプロコピス・パブロプロス(Prokopis Pavlopoulos)大統領に「この瞬間にも、3400人ものシリアやイラクの人たちが(ISに)身柄を拘束されています」と語り、「わたしの声を欧州連合(EU)に届けてください。女性や幼い子どもたち数千人が、ずっと捕らわれているのです」と訴えた。

 タハさんは2014年8月にISの戦闘員に拉致され、3か月間拘束されていたが、何とかドイツに逃れた。今月16日には国連安全保障理事会(UN Security Council)で、ISが拉致した女性たちを性奴隷として人身売買していると証言している。(c)AFP