【12月28日 AFP】映画『カッコーの巣の上で(One Flew Over the Cuckoo's Nest)』や『アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)』などを手掛け、米アカデミー賞(Academy Awards)を受賞したこともある米映画撮影監督のハスケル・ウェクスラー(Haskell Wexler)氏が27日、死去した。93歳だった。同氏の親族が明らかにした。

 米ハリウッドで半世紀にわたり活躍したウェクスラー氏は、俳優のエリア・カザン(Elia Kazan)氏から映画監督のジョージ・ルーカス(George Lucas)氏、マイク・ニコルズ(Mike Nichols)氏、ミロス・フォアマン(Milos Forman)氏に至るまで、映画史に残る数々の著名人らとともに制作に当たった。

 長男のジェフ・ウェクスラー(Jeff Wexler)氏によると、ウェクスラー氏は、米カリフォルニア(California)州サンタモニカ(Santa Monica)の病院で老衰のため死去したという。

 ウェクスラー氏は、ニコルズ監督の『バージニア・ウルフなんかこわくない(Who's Afraid of Virginia Woolf)』(1966年)とハル・アシュビー(Hal Ashby)監督の『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと(Bound for Glory)』(1976年)で、2度のアカデミー撮影賞を受賞。また、ルーカス監督の『アメリカン・グラフィティ』(1973年)やミロス・フォアマン(Milos Forman)監督の『カッコーの巣の上で』(1975年)では、独特の映像を作り上げた。

 歯に衣着せぬ語り口のリベラル派だったウェクスラー氏は、社会派ドキュメンタリー作家としても知られ、リチャード・ピアース(Richard Pearce)氏と共同制作したベトナム戦争中の米部隊による市民数百人に対する虐殺を描いた作品『Interview With My Lai Veterans』(1970年)で、アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞を受賞している。(c)AFP