■巨大魚ピラルクの保護のため

 面積約600万平方キロメートルに広がるアマゾンのかなりの部分を擁するブラジルでは、世界最古の淡水魚として知られ、体長が最大4.5メートルにも達する巨大魚、ピラルクの減少を受けて、先住民族パウマリ(Paumari)の人々が保護活動を行っている。

 ピラルクの漁獲はいったん禁止されたものの、環境保護団体OPANの7年に及ぶ活動が功を奏し、パウマリの人々は持続可能な漁業活動をもう一度、合法化するよう政府に働き掛け、これを実現させた。

 同団体による保護活動の下、体長が1.5メートルに満たないピラルクは川に戻すことが義務付けられた。また、ブラジルの環境当局は毎年、ピラルクの生息数調査を実施し、パウマリの人々は一帯の湖での密漁監視を担当した。

■先祖代々の土地を守る

 ペルーの先住民族、ワンピス(Wampis)の人々は森林伐採や土地を荒らす石油・鉱山企業の活動をやめさせるため自治政府を発足させた。自治政府の代表、ペレス・ラミレス(Perez Ramirez)さんは「われわれは独立を求めているのではない。先祖代々の土地を守り、ワンピスの100を超えるコミュニティーがある130万ヘクタールの土地の権利を確保するのが目的だ」と話した。また、「今後の世代は、生きていくために天然資源が必要になる」と加えた。ペルー政府は自治政府を正式には認めていない。

 コロンビア南西部の先住民族、インガ(Inga)の人々は、50年間続く内戦で脅かされている生物の多様性を保護しようとしている。インガの人々は、ヘロインの原料となるケシの栽培を止めるため、政府から資金援助を受けることに成功。ケシ畑は生態系を脅かすだけでなく、地域における武装組織間の武力対立を激化させる原因となっていた。(c)AFP/Paola LOPEZ, with AFP bureaux