【12月27日 AFP】イラクのラマディ(Ramadi)で26日、今年5月にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に制圧された同市奪還のため攻勢をかけているイラク治安部隊に対し、ISが市中心部にある政府施設で激しく抵抗した。

 政府側部隊は22日、ラマディ中心部の周囲にISが作っていた防衛ラインを突破して市中心部に進攻したが、その後はISの狙撃手や仕掛け爆弾、自爆攻撃などにより進軍が遅くなっていた。

 ラマディをすぐに奪還できる望みはなくなったが、イラクのエリート部隊「テロ対策サービス」(CTS)と陸軍部隊はアンバル(Anbar)州の荒廃した州都ラマディを着実に進み、ついに政府施設がある同市ホズ(Hoz)地区に到達。この施設を制圧すればラマディ奪還は大きく進展する。

 CTSの報道官は「CTSはラマディ中央部のホズ地区を完全に奪還し、政府施設付近まで到達した」とAFPに語った。

 イラクの内務省、防衛省、ISと戦う民兵部隊からの情報を伝える同国の広報機関は、ISが簡易爆弾を使用したことで政府側部隊は戦略の転換を強いられたと伝えている。

 同広報機関の発表によると、「当初の計画では別の地区からホズ地区に入る予定だったが、地雷が仕掛けられていたためCTSは作戦を変更し、河川敷から進攻した」という。

 現地の警察によると、最新の戦闘で政府側部隊の少なくとも2人が死亡し、9人が負傷した。複数の軍幹部や地元当局者らによると、25日にも3人の死亡が確認されていた。一方、政府側によると、IS側の死者は25日だけで23人に上ったという。

 ラマディ奪還作戦が始まった5日前の時点で、同市中心部に残っているIS戦闘員は400人以下と推定されていた。(c)AFP/Ammar Karim