【12月25日 AFP】フランス・パリ(Paris)では24日、同時テロの影響で観光客の足が遠のく中、いつになく控えめなクリスマスイブを迎えた。店舗や教会には厳戒態勢が敷かれ、緊迫した市民生活が続いている。

 市中心部にある老舗百貨店「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」と「プランタン(Printemps)」では、重武装の兵士が店舗前で警戒に当たった。各売り場ではクリスマスプレゼントを求める駆け込み客の姿が見られたが、客足は例年と比べて明らかに少ない。

「いつもよりずっと閑散としてるよ」と、タクシー運転手は証言した。

 先月13日のパリ同時テロを受けて緊張感に満ちたクリスマスを迎えているのは、フランスだけではない。世界各地のキリスト教徒たちが、キリスト教を象徴する祝祭シーズンに襲撃を受ける可能性に身構えている。中国でも、米英の大使館が北京(Beijing)で欧米人が狙われる恐れがあるとして、注意を呼び掛けた。

 とはいえ、先月の事件で最も深刻な打撃を受けたのが、世界で最も多くの観光客を集める都市パリなのは、言うまでもない。

 航空便の予約は前年比で3分の1近くも落ち込んだ。地元観光ガイドは、テレビの取材に「中国人観光客は約30%減った。30%で済んでいるのは中国人が大胆不敵だからこそで、日本人や米国人はほぼ80%減だ」と語っている。(c)AFP/Eric RANDOLPH