【12月24日 AFP】アルペンスキーW杯の伊マドンナ・ディ・カンピーリオ(Madonna di Campiglio)大会で、男子回転の試技が行われている最中、滑走するマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)の近くに小型無人機(ドローン)が落下したことについて、責任者は23日、ドローンが操縦不可能になることを見越して、意図的に行ったことだと明かした。

 ドローンはテレビ局が撮影用に飛ばしていたもので、22日、試技に臨むヒルシャーのすぐ後ろに落ちた。

 スイスのスポーツマーケティング会社「インフロント・スポーツ・アンド・メディア(Infront Sports & Media)」は声明を出し、「最初の技術レポートによって、ドローンの誤作動が明らかになった。ドローンを飛ばしていた会社によれば、動作周波数に予期せぬ強力な干渉が入ったことが原因だという。その結果、飛行のコントロールが難しくなった」と落下の経緯を説明した。

「これを感知した操縦者は、正式な安全対策の手順にのっとり、ドローンを地上すれすれまで降下させた後に放した」

「目的はドローンの破壊で、コントロールを失うことは避けたかった」

 同社によれば、装置と操縦者については外部で手配したという。

「このような事態になってしまったことを申し訳なく思っています。特に今回は、マルセル・ヒルシャーという競技者の近くに落下させてしまったわけですから」

「けが人が出なかったことに安心しているとともに、今一度、マルセル・ヒルシャーに謝罪します。同時に、国際スキー連盟(FIS)や、オーストリアとイタリアのスキー連盟、そして地元の大会主催者にもおわびしたいと思います」

 テレビ局とFISは、空撮用ドローンの使用は「安全な飛行が可能になるまで」禁止にするつもりだという。(c)AFP