【12月23日 AFP】2020年の東京五輪でメーン会場になる新国立競技場(New National Stadium Japan)の新たなデザインが決定したことを受け、巨額の建設費が問題視されて自身のアイデアを白紙撤回された建築家のザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏が批判のコメントを出した。

 当初採用されたハディド氏のデザインでは、建設費が2500億円を超えると見積もられ、世界でも過去に例がない高額の競技場が完成する予定だった。

 しかし、莫大な建設費とデザインへの批判が相次ぎ、日本政府は、新国立競技場の建設計画を白紙に戻すことを発表していた。

 日本スポーツ振興センター(JSC)は先週、建設費を大幅に削減した2つの新たなデザイン案を発表し、22日、建築家の隈研吾(Kengo Kuma)氏が提案したデザインが正式に採用された。

 これを受けたハディド氏は事務所を通して声明を出し、「残念なことに、日本政府は関係者と腹を合わせて、プロジェクトを世界から閉ざしてしまった」と述べると、「インターナショナルデザインと、技術チームに対するショッキングな対応は、デザインや予算の問題ではありません」と続けた。

「(22日に)発表されたデザインは、スタジアムのレイアウトや座席の配置などが、オリジナルのデザインと驚くほど似ており、2年間を費やしたデザイン作業や、推奨してきたコスト削減策の多くが取り入れられています」

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