【12月23日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)のニック・デービス(Nick Davies)副事務局長は、ドーピング違反を犯したロシア人選手について、名前の公表を遅らせるよう画策していたという疑惑を受け、22日、辞任したことを発表した。

 デービス氏はIAAFを通して声明を出し、「倫理審査会が案件を確認し、私がIAAFの倫理規定に違反しているのかを審査する間、IAAFの役職を離れることにしました」と述べている。

 仏紙ルモンド(Le Monde)と英国放送協会(BBC)は21日、第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)に先立ち、デービス氏が、当時IAAFのマーケティングコンサルタントを務めていたパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏(ラミーヌ・ディアック〈Lamine Diack〉前会長の息子)に対し、ドーピング違反が発覚したロシア人選手の名前の公表を遅らせようと、画策するメールを送っていたと報じた。

 デービス氏は問題のメールの中で、すでにドーピング違反が明らかになっているロシア人選手は、代表メンバーに「選ばれてはならない」と強調しており、この点は、当時ロシア陸連(ARAF)の会長とIAAFの財務責任者を務めていたワレンティン・バラフニチェフ(Valentin Balakhnichev)氏に対しても明確にしておかなければならないと話していた。

 報道によれば、デービス氏は「違反した選手が出場しないのであれば、名前の公表は大会終了まで待っても良い」という見解を示し、「もしくは、他国出身の選手として1~2人公表するか」と続けている。

「同時に、IAAFの検査に関する特別な冊子を用意して、ロシア人選手の検体が陽性反応を示したのは、頻繁に検査を受けさせられているからだという理由を提示するんだ!!!」

(c)AFP