【12月23日 AFP】エボラ出血熱に感染しながら幸運にも回復した患者は、その後数か月間にわたって、失明に至る恐れのある視力障害や難聴、関節炎を患う可能性が高いとする論文をカナダ・トロント大学(University of Toronto)の医療チームが23日、発表した。

 史上最悪のエボラ大流行によって限界を超える対応を余儀なくされた西アフリカ諸国には、エボラから回復しながら後遺症で苦しみ、治療を受けられずにいた患者が多数いる。

 専門家らによると、西アフリカ・シエラレオネのある診療所で診察を受けてエボラから回復した277人のうち、80%近くが退院後約4か月で関節痛を訴えたという。さらに60%が視覚障害、18%が失明に至る恐れのある目の炎症を患い、4分の1が難聴を訴えていた。

 トロント大学の医療チームの指導者はAFPの取材に対して、「この数は、われわれの当初の予測を上回っていた」と電子メールで回答した。

 現在のエボラの大流行は2013年12月に始まったが、エボラ後遺症に関する報告はそれ以前からあった。

 しかし、医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」に掲載された今回の研究論文は、エボラ感染後の合併症の特徴と合併症の範囲の広さを取り上げたものとしては、これまでで最も大規模で詳細な研究だと主張している。(c)AFP/Mariëtte Le Roux