【12月21日 AFP】中国政府は21日、大気汚染警報で最高レベルの「赤色警報」の2度目の発令から3日目を迎えた首都北京(Beijing)で、警報によるスモッグ対策の一環として、2100の工場に生産の一時中止または削減を命じたと発表した。

 北京市当局は19日、4段階ある大気汚染警報のうち最も深刻な「赤色警報」を発令し、22日までの4日間継続すると発表した。2013年に導入された「赤色警報」は今月7日に初めて発令され、今回が2度目となる。

 北京市経済情報化委員会(Beijing Municipal Commission of Economy and Information Technology)のある幹部はAFPに対し、同市周辺にある2100の工場への生産の一時中止または削減の命令は、(温室効果ガスの)排出を削減するための緊急対応策の一環だと語った。各工場へは毎日、査察官が立ち寄っており、全工場とも「厳密に指示に従っている」という。

 独自の観測結果を発表している在北京米大使館によると、肺に深く入り込む有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度は、21日早朝の時点で1立方メートル当たり172マイクログラムだった。世界保健機関(WHO)が、24時間のPM2.5暴露上限値とする同25マイクログラムの7倍近くとなっている。

 国営紙、北京日報(Beijing Daily)が伝えた環境当局の報告によると、PM2.5の濃度は22日には1立方メートル当たり300マイクログラムを超えると予想されている。(c)AFP