【12月20日 AFP】中国・北京(Beijing)市当局は、大気汚染警報で最高レベルの「赤色警報」を19日朝から再び発令し、工場閉鎖や市内を走る車両を半減させる通行規制などの緊急措置を取った。2013年に導入された「赤色警報」は今月7日に初めて発令され、今回が2度目。市の公式サイトによると、4段階のうち最も深刻な警報は22日まで続くという。

 独自の観測結果を発表している在北京米大使館によると、肺に深く入り込む有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度は19日未明、1立方メートル当たり260マイクログラムを超えた。世界保健機関(WHO)は、PM2.5濃度の上限値として24時間で25マイクログラムを推奨している。

 PM2.5濃度は午後には140マイクログラムまで下がったが、車両通行規制にもかかわらず市内では刺激臭を放つスモッグによって視界が悪い状態が続いた。

 中国の洪磊(Hong Lei)外務省報道官は、定時記者会見で「環境保護は中国政府にとって重要な目標であり、対策に尽力している」と述べる一方、「わが国は環境保護に関してまだ複数の難題に直面している」とも付け加えた。

 中国環境省は、首都周辺の都市でも同様に赤色警報を発令する方針を示すとともに、近隣自治体に「大気汚染に対する緊急措置の導入」を要請したことを明らかにした。(c)AFP/Julien GIRAULT