【12月18日 AFP】ウクライナ東部、親ロシア派武装勢力が首都と宣言しているドネツク(Donetsk)で、従業員たちが堂々とウクライナ語を話すカフェとしては最後の店舗が閉店した。広く人気がある店舗だったが、親露派の当局とトラブルが起きた後の閉店だったとみられる。

 店舗の窓に張られたメモには「営業を続けられなくなったことを残念に思うけれど、きっと大丈夫」と書かれていた。

 手作りチョコレート専門店「リビウ・チョコレート・ワークショップ(Lviv Chocolate Workshop)」のフランチャイズだった同店は、親ロシア派がドネツク市長としているイゴール・マルチノフ(Igor Martynov)氏が、地元の記者らと同店を訪問した後、閉店した。

 マルチノフ氏は、閉店はカフェの経営陣の判断であり自らは関与していないと述べているが、カフェチェーンを所有するFEST社側は、閉店の理由をほのめかす表現をしている。

「市長とされている人物および地元記者団とわれわれの間に最近起きた出来事を考慮に入れると、リスクがあまりに大きすぎる。そのため、われわれは一時的な閉鎖を決めた」と、FESTは声明で述べた。

 ウクライナ東部での衝突が発生して以降、親ロシア派側は、旗やブランド名など、ウクライナやウクライナ語を象徴するあらゆるものを消し去ろうと努めている。

 だがこのカフェは人気店で、親ロシア派のメンバーが恋人と訪れることも珍しくなく、これまでは標的になっていなかった。(c)AFP