【12月18日 AFP】ニュージーランドで暮らし続けるには太りすぎていると宣言された南アフリカ出身の男性が、ビザ更新を求める闘いをあきらめ帰国することを表明した。メディアが18日、報じた。

 シェフのアルバート・ブテンハウス(Albert Buitenhuis)さんと妻のマーシーさんは、アルバートさんの肥満を理由に就労ビザの更新を拒否され、2年間にわたってビザ更新を勝ち取ろうと闘ってきた。だが、2年前にブテンハウスさんに23か月の猶予を与えた当局は今回、正式にビザ発行を拒否した。

 ブテンハウスさんは18日付の地元紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)に対し「われわれのビザはついに拒否され、10月末に仕事を辞めなければならなかった」と語った。「今回の当局の拒否の理由は、私が正規の労働者ではなく、雇用主もニュージーランド人の従業員を探す労力を怠った、というものだった」

 ニュージーランド移民局は2013年、ビザ更新を認めなかった理由について、 肥満によりブテンハウスさんは合併症を発症するリスクにさらされていると述べ、肥満による同国の医療サービスへの負担の可能性について指摘し、専門家の健康評価によりブテンハウスさんが「許容水準の健康」を満たさなくなったことが分かったと説明していた。

 一方、ブテンハウスさん夫妻は、2人が2007年に南アフリカからニュージーランド南島の主要都市クライストチャーチ(Christchurch)に移住した当時のブテンハウスさんの体重はすでに160キロあったが、その後も就労ビザがなんの問題もなく更新されてきたと述べていた。2011年には、体重を30キロ減量して永住権を申請したが、拒否されている。

 ブテンハウスさんはヘラルド紙に「持ち物を売りに出して、ここでのもろもろを整理して立ち去るための資金集めをしている」と語った。

 夫婦は来週の24日、南アフリカのプレトリア(Pretoria)に帰国する。(c)AFP