【12月18日 AFP】彼らは、不安に駆られていた──。もしあなたが彼らのように、人気SF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズの最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(Star Wars: The Force Awakens)』を見るために、史上最高額となるかもしれない映画チケットを買ったとしたら、きっと同じ気持ちになるだろう。

「とにかくすごく面白いことを願っている」と語った公共政策コンサルタントのトレイ・デラップさん(37)は、フランス・パリ(Paris)のシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle International Airport)に近いショッピングモール内にある映画館で同作を見るため、「数千ドル(数十万円)」を費やしたという。

 だが、翌日まで待てば地元で先行上映が行われるはずだった映画を見るがために米ラスベガス(Las Vegas)から16時間かけて移動したデラップさんにとって、後悔するには時すでに遅しだった。

「すごい作品なのだと、私にはもう分かっています。あっち(地元の先行上映)には行かないつもりだ」と語ったデラップさんは、米国での封切りが待ち切れず、2日前にパリで同作を見ようと大西洋(Atlantic Ocean)を横断した200人以上のファンの一人だ。

「みんな、私たちのことをクレイジーだと思うか、すごいと思うかのどちらかでしょうね。自分ではもう判断がつきませんが」

 一緒にやって来た友人のティム・メルシュさん(44)は、欧州を訪れたのは今回が初めて。「スター・ウォーズ」のためでなければ来なかっただろうと話している。

 パリ北郊のアエロビル(Aeroville)センターにあるハイテク映画館「ヨーロッパコープ(EuropaCorp)」には、米国以外にもチリやアルゼンチン、エジプトからもファンが結集した。

 2時間15分後に映画館から出てきたファンらは、見るからに感動した様子で、作品の出来を褒めたたえた。メルシュさんは、「とにかく今すぐ続きを見たい」と語った。(c)AFP/Fiachra GIBBONS