【12月18日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)から職務停止処分を科されているジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が17日、倫理委員会の聴聞会に臨み、自らの無実を訴えた。

 副会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏と共に、職務停止処分を科されているブラッター会長は、チューリヒ(Zurich)のFIFA本部へ黒のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)で乗りつけると、弁護士を伴って建物の中に入った。そして帰りもすぐさま同じベンツに乗り込み、外に集まった多くの報道陣の質問には一切答えなかった。

 8時間に及んだ聴聞の後、ブラッター会長の代理人を務めるリチャード・カレン(Richard Cullen)弁護士は声明を発表し、処分の解除を訴えた。

 AFPに宛てたメールで、カレン氏は「ブラッター会長は、自身にとって良い決断が下されることを期待している。そのための証拠も示した」とつづった。

「ブラッター会長の行動に問題はなく、FIFAの倫理規定に抵触していないのは明らかだ。調査を終了し、処分を解除するべきだ」

 聴聞会の前、79歳のブラッター会長はFIFAに加盟する209協会に書簡を送り、倫理委員会が行っているのは「異端審問」だと述べている。

 また2018年のサッカーW杯(2018 World Cup)開催国であるロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ブラッター会長にノーベル賞(Nobel Prize)を与えるべきだと主張し、「彼は世界中で人道支援を行っており、その貢献は絶大だ」と発言している。

 しかしブラッター会長は現在、2011年にプラティニ氏へ200万スイスフランを支払った行為が犯罪にあたるとして、スイス当局の捜査対象となっている。当局はこの日、FIFAの汚職に関係があるとみられる複数の口座を凍結した。凍結された資産の合計は数千万ドルに上るとも言われている。

 プラティニ氏の聴聞は18日に行われる予定だが、出席したところで裁定はすでに決まっていると主張し、同氏はボイコットを宣言している。弁護士によれば、倫理委員会はプラティニ氏の永久追放を望んでいるという。

 ブラッター会長とプラティニ氏は、不正を否定している。(c)AFP/Benjamin SIMON