■「野球と友だちに戻りたい」

「ラスベガスで暮らしているのは、ここに仕事があるからだ。ギャンブルをやらないわけではないが、暇つぶし程度だ。毎日金を賭けたりはしない。カジノに入り浸ったりもしない。ブラックジャックも、ルーレットも、サイコロも何もやらない。競馬はたしなむが、それは昔、自分が馬主を務めたことがあって、競馬界の人間を大いに尊敬しているからだ。とはいえ、法に触れることは何一つしていない。付き合う人間も、今はきちんと選ぶようにしている」

 ローズ氏は、自身の野球殿堂入りの希望をまだ捨てていないと話すが、処分が撤回されるには、更生の十分な証拠を示す必要がある。

「私は多くの人に、私と同じ過ちは犯すな、そして私を反面教師にしてほしいと伝えることができると思う。間違った道を進んでしまった人々は、私の体験から学ぶことがあるはずだ」

「今はとにかく、野球と友だちに戻りたい。殿堂入りのチャンスがもらえるだけでもうれしいよ。今の私は、以前のチームメートの手助けのおかげで、殿堂入りにふさわしい人生を送ることができている。日々、人間としてまっとうになって、みんなが望んでいた道へ戻りつつあるんだ」

 ローズ氏は過去に2度、別のコミッショナーの時代に処分の撤回を求めているが、いずれも却下されている。

 ローズ氏は、シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)などでプレーした1986年までの現役生活で、リーグ史上最多となる4256安打を放ち、監督としては1989年までレッズを率いた。(c)AFP