【3月27日 AFP】今季のNBAでは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)がハイペースで白星を重ね、シーズン最多勝利記録を更新できるか注目を集めている。そこで今回、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)を擁して金字塔を打ち立てた1995-96シーズンのシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)を振り返る。

 1996年4月21日、最終戦でワシントン・ブレッツ(Washington Bullets)に103-93で勝利したブルズは、その年のレギュラーシーズンをNBA史上最高成績となる72勝10敗で終えた。ブルズが72勝目を挙げた直後、ジョーダンは「自分自身に屈しない限り、負けることはないと考えている」と話しており、「重要なのは何が何でも試合に勝つことだ」とも語っている。

 ジョーダンとブルズにとって、歴史的成功を収めた1995-96シーズンは雪辱を誓った一年だった。ジョーダンは前年の1994-95シーズンに現役復帰を果たしたものの、ブルズはオーランド・マジック(Orlando Magic)と対戦したカンファレンス準決勝で敗退。批判の矛先は、輝きを失ったジョーダンに集中した。

 屈辱を味わった自分自身を許せずにいたジョーダンは「弱点は認識していたが、それを受け入れ、あきらめようとは思わなかった。その後は肉体改造に取り組み、練習に励んだ。ジムに通って快適な体を取り戻したよ。とても大変だったけどね」と明かしている。

 その成果もあってか、ジョーダンは95-96シーズンに1試合平均30.4得点の成績を残すと、通算8度目のリーグ得点王に輝いた。当時のジョーダンは「再びシーズンに挑み、好成績を残せたことで、全盛期の自分を取り戻せたと安心した。実力が衰えていないことを証明しようと必死だった」と語っている。

■ピペン「この年のブルズは史上最強」

 一方、ブルズはサンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)からトレードでデニス・ロッドマン(Dennis Rodman)を獲得。シーズン開幕当初は、この補強が不安要素になるとみられていたが、ロッドマンは審判への頭突きで出場停止処分を受けた以外はチームに大きく貢献し、リバウンド王のタイトルも獲得した。

 ジョーダンは、ロッドマンにとってキャリア最高のレギュラシーズンだったとの見解を示し、「これまでとはいろいろ違う、異色のヘアカラーとシーズンを過ごすことで、われわれは楽しむことができたし、自分も本当に充実した時を過ごせた」と述べている。

 前人未到の偉業を成し遂げたブルズはその後、イースタンカンファレンスのプレーオフ12試合で11勝を記録。カンファレンス決勝ではマジックをスイープで退け、前年の雪辱を果たすと、NBAファイナルではシアトル・スーパーソニックス(Seattle SuperSonics)を破った。

 現役復帰から15か月後にふたたび頂点の座に返り咲いたジョーダンは「自分がやれるのかどうか、不安しかなかった。自分のバスケは研究されていたし、その穴を埋めなければならなかった。だから年齢や能力、プレーを不安視する声は大きかった」と話している。

「だけど、見方を変えればそれはチャンスだった。だから自分の体を追い込み、必要なレベルに戻した。夢を追いかけようと思ったら、何よりもそれが重要だった」

 当時のチーム内で、1991年から93年にかけてジョーダンとともに3連覇を経験している唯一のチームメートだったスコッティ・ピペン(Scottie Pippen)は、この年のブルズは史上最強かという質問に「そう言って差し支えないだろうね」と答えている。

「過去にも素晴らしいチームはあった。だけど、すべての試合に勝って最高のバスケットを見せたいというチームのメンタリティーは前例のないものだ。だからこそ、俺たちはその称号を手に入れることができたんだ」

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