【12月12日 AFP】職務停止処分を科されている国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は、放映権などの見返りに元幹部らが約1億ドル(約120億円)の賄賂を受け取っていたとされる汚職事件は「決着している」として、組織を揺るがすスキャンダルに発展した上層部の不正を関知していなかったと改めて主張した。

 英国放送協会(BBC)は今月、79歳のブラッター会長が賄賂の存在を認識していた証拠について、米当局が捜査していると報じた。

 報道によると、スポーツマーケティング会社ISLは、FIFAのジョアン・アベランジェ(Joao Havelange)元会長やリカルド・テイシェイラ(Ricardo Teixeira)元理事らに合計1億ドルを支払い、その見返りとして、1990年代にテレビ放映権やマーケティング権を得ていたという。

 ブラッター会長は、賄賂については一貫して知らなかったと主張しているが、BBCは米連邦捜査局(FBI)が入手した書簡を目にしたとしており、これは同氏の主張に疑問を投げかけるものだった。

 贈収賄事件について、ブラッター会長は「決着しているし、もう片付いている。法廷で結審した。FIFAの倫理委員会によって解決済みだ」と強調した。

 前任者であるアベランジェ元会長への支払いについて知っていたか問われたブラッター会長は、「解決済みだ。スイスの法廷で結審したことだ。高裁でも審理されたが、私に倫理責任は一切なかった。何もだ」と繰り返した。

 ブラッター会長はまた、数か月間ほとんどスイスを離れなかったのは、逮捕を恐れたことが理由ではないとしている。

「まず、われわれは危機に直面している。これは軍事教育上の自論で、危機に立たされているとき、司令官は本部を離れてはならない」と説明したブラッター会長は、健康上の問題も理由につけ加えた。(c)AFP