【12月10日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)の福祉施設で開かれていたパーティーで銃を乱射し14人を殺害したとされるイスラム教徒の夫婦は、インターネット上で出会う以前の少なくとも2年前には過激思想に染まっていたことが、米連邦捜査局(FBI)の捜査により明らかになった。ジェームズ・コミー(James Comey)FBI長官が9日、明らかにした。

 コミー長官は上院司法委員会での証言で、FBIの捜査によって、米国生まれのサイード・ファルーク(Syed Farook)容疑者とその妻でパキスタン出身のシュフィーン・マリク(Tashfeen Malik)容疑者が、外国のテロ組織に感化され、遅くとも2013年の時点で既に「ジハード(聖戦)や殉教」について語り合っていたことが分かったと述べた。2人は、インターネット上で交際を始める前に過激思想に傾倒していたとみられるという。

「2人は、まだ婚約する前の2013年の末に、インターネット上でジハードや殉教について語り合っていた。その後、結婚して共に米国で暮らし始めた」(コミー長官)

 複数の米メディアはこれに先立ち、捜査当局は妻のマリク容疑者がファルーク容疑者を過激思想に染め、事件の原動力となっていたとみていると伝えていた。

 報道によると、マリク容疑者は乱射事件が起きたのと同じ時間帯に、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」への忠誠を誓うコメントを、交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に偽名で投稿していたとみられる。

 一方、上院情報特別委員会の委員を務めるジェームズ・リッシュ(James Risch)議員は9日、米CNNテレビに対し、ファルーク容疑者が3年前にも仲間と共に攻撃を計画していたものの、米当局の対テロ摘発強化を受け、実行を断念していたことを明らかにした。

 同議員は、ファルーク容疑者の隣人で長年の友人、エンリケ・マルケス(Enrique Marquez)容疑者が捜査当局に対し、ファルーク容疑者と2012年に攻撃計画を企てていたことを認めたと語った。計画の内容や攻撃対象は不明だという。(c)AFP/Michael Mathes