【12月10日 AFP】プロ野球の広島東洋カープ(Hiroshima Toyo Carp)が、前田健太(Kenta Maeda)投手のポスティング申請を行ったことを受け、米大リーグ(MLB)の各球団は、同投手の獲得に関心を示している。

 現在27歳の前田は、2008年に入団して以来、広島で通算97勝67敗、防御率2.39の成績を残している。2015年は計29試合に先発して15勝8敗、防御率2.09を記録し、2010年以来2度目の沢村賞に輝いた。

 前田の「入札」手続きを行った広島は、譲渡金を2013年に設けられた上限の2000万ドル(約24億3000万円)に設定した。

 ポスティング制度では、譲渡金を支払うことが可能な球団が30日間の交渉権を得ることができ、それらの球団が前田との契約交渉に臨むこと になる。これにより、複数の球団が前田と話し合いを持てるが、契約締結に至らなかった場合は譲渡金を払う必要はなく、同選手と契約した球団のみが支払うことになる。

 前田の獲得には、シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)、そしてシカゴ・カブス(Chicago Cubs)とともに、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)のデーブ・スチュワート(Dave Stewart)ゼネラルマネジャー(GM)も興味を示している。

「前田を大いに気に入っている」と話すスチュワートGMは、「彼はMLBでも大活躍する可能性が高い。われわれは、市場に参戦するつもりだ」と明かした。

 前田の成績は、鳴り物入りで太平洋を渡ったテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)のダルビッシュ有(Yu Darvish)投手や、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の田中将大(Masahiro Tanaka)投手に比肩するものがある。

 2013年のワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball ClassicWBC)で、前田は計15回を投げて2勝1敗、防御率0.60、18奪三振、6安打、1失点の成績を残したが、日本代表は大会3連覇を逃した。(c)AFP