【12月9日 AFP】フランス・パリ(Paris)で先月発生した同時テロで、コンサート中の会場が襲撃を受けた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)」が8日、約1か月ぶりに事件現場を訪れ、涙を流しながら犠牲者らを追悼した。

 カリフォルニア(California)州を拠点に活動している同バンドのメンバーらは、先月13日の事件で90人が死亡したパリ東部の劇場バタクラン(Bataclan)の前に無数に手向けられた花々やカードに胸打たれた様子で、小雨の降りしきる中15分近くその場に残り、メッセージに目を通していた。

 同バンドのグッズ販売担当マネジャーで英国人のニック・アレクサンダー(Nick Alexander)さん(36)も、事件で命を奪われた。メーンボーカルのジェシー・ヒューズ(Jesse Hughes)さんは、劇場前の通りにあふれた献花の山の中に1輪の花を供え、涙を拭った。

 ヒューズさんはフェイスブック(Facebook)上のバンドの公式ページに、「ありがとう、フランス。そして、愛と喜びと音楽は恐怖や悪に打ち勝つのだということを証明してくれている世界中のみんな、ありがとう。2016年にはツアーを再開するし、またすぐより多くの場所で良き闘いができることを心待ちにしている」とつづった。

 劇場側は来年末の再開を目指しており、ヒューズさんは、再開後初の公演は自分たちのバンドが行いたいと希望している。(c)AFP