【12月7日 AFP】シリアで6日、米国主導の有志国連合によるとみられる空爆があり、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員少なくとも32人が死亡、40人が負傷した。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ISの事実上の「首都」となっているラッカ(Raqa)県の県都ラッカ市の北、東および南東のIS司令部や基地に、合計で15回ほどの空爆があった。同組織のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、死傷者の数は増える恐れがあるとしている。

 シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が6日に掲載したインタビューの中で、英国がシリア空爆を開始したことは「不法」であり、「テロリズム」を広げる行動だと非難した。シリア政府は、米主導の有志国連合による空爆は効果がない上に違法だと批判してきており、シリア政府との協調なしにIS根絶は不可能だとしている。

 アサド大統領を支持しているロシアは、アサド政権の許可を得て空爆を開始し、シリア政府軍と協調して空爆を実施している。

 一方、シリア人権監視団は6日、シリアの首都ダマスカス(Damascus)東郊のザマルカ(Zamalka)でロシアによるとみられる空爆があり、子ども2人を含む民間人13人が死亡したことも発表した。(c)AFP/Layal Abou Rahal