■穴だらけの説明

 キャンベル司令官の発表内容のうち、専門家らが不可解だとしているものの一つに、AC130攻撃機がミサイルの標的となっていることを検知し針路を変更した後に照準システムが「劣化」したという説明がある。これによって乗員は、AC130攻撃機のシステムが示す攻撃目標に「最も近い大型の建物」を探すことを強いられたという。

 またクラーク氏は、攻撃機に乗っていた兵士らが、自分たちが標的としていた建物がMSFの病院だと認識していなかったとは信じがたいと述べている。同病院は「電気も通っていない町で夜間にただ一つ明かりのともった、極めて目立つ建物」だったという。

 キャンベル司令官の説明によれば、攻撃機の機器の故障のため、映像や通信システムが機能しなかったことなどが原因で、首都カブール(Kabul)郊外のバグラム(Bagram)空軍基地の司令部では、攻撃機が病院爆撃の準備に入っていることに気付かず、「混乱」した状態だったという。

 保護されるべき場所を攻撃目標にしていないことを司令部が確認できていなかった、とのキャンベル司令官の説明について、クラーク氏は「作戦に直接関わった者たちの範疇(はんちゅう)を超えて広がる」体系的な崩壊が起きたことになると述べ、一連のミスは「キャンベル司令官がわれわれに信じ込ませようとしている内容よりもはるかに深刻な性質のものだ」と述べた。