【12月1日 AFP】香港(Hong Kong)近海に生息し、体の色から「ピンクイルカ」の愛称で知られるシナウスイロイルカが絶滅の危機にあると、自然保護活動家らが警鐘を鳴らしている。

 シナウスイロイルカは過去数十年で急激に減少しており、活動家らはこれまで何度も懸念を示してきたが、全く聞き入れられなかったと批判している。

 香港のランタオ(Lantau)島の北側海域には、このイルカを一目見ようと毎日多数の観光客が集まる。しかし活動家らによれば、これほど愛されている「ピンクイルカ」がやがて一頭もいなくなる恐れがある。香港では大規模な橋の新設が進んでおり、さらに計画中の国際空港の拡張が実行されれば、シナウスイロイルカの生息にとってとどめになるという。

 香港イルカ保育学会(Hong Kong Dolphin Conservation Society)のサミュエル・ホン(Samuel Hung)会長によると、2003年には158頭が生息していた香港近海のシナウスイロイルカは、現在わずか60頭前後まで減っている。

 同会長は生息数の減少について「乱獲や環境汚染など多数の要因があるが、高速フェリーの通行量増加の影響が最も大きいと思う」との見方を示した。(c)AFP/Aaron TAM