【11月27日 AFP】フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は26日、ロシアの首都モスクワ(Moscow)を訪問し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領と会談した。オランド氏は会談後、両者がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する攻撃で連携を図っていくことで一致したと発表。一方のプーチン氏は、シリアの「健全な」反体制派への空爆を避けることで合意したと述べた。

 オランド大統領はパリ(Paris)で発生した同時テロを受けて、対IS戦でより広範な同盟関係への支持を取り付けるため外交行脚に出ており、その一環ではこの日のモスクワが最後の訪問地となった。最近両国に影響する攻撃で合わせて数百人が犠牲になっており、両首脳は今回の会談で共通の目標を見出した。

 会談後の合同記者会見でオランド大統領は、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)に対する攻撃を強化し、そのための連携を計っていく」と話した。また攻撃対象としては、石油の輸送に的を絞っていく方針を示した。

 一方プーチン大統領は、「われわれはきょう、テロの撲滅を目指した連携を強め、対テロ戦での情報交換を進め、両国の軍事専門家の間で建設的な協働作業を確立していくことで一致した」「テロリストではなく健全な反体制派によって占領されている地域についての情報を交換し、こうした地域を両国の空爆の対象から外すことで合意した」と述べた。

 ISの拠点に対する空爆を実施している米主導の有志国連合に参加している国々はこれまで、ロシアがシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援するため、政府軍とISを相手に戦っている穏健派組織を攻撃していると、繰り返し非難してきた。

 プーチン大統領は、政府軍は地上での「対テロ戦における自然な連携相手」だと説明。一方のオランド大統領は、アサド大統領には「シリアの将来における居場所はない」と主張。会談後も、アサド大統領の進退をめぐる深い溝は埋まっていない。(c)AFP