【11月26日 AFP】25日に行われたサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)対PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)の試合では、ユナイテッドの伝説的選手で、59歳でこの世を去ったジョージ・ベスト(George Best)氏の没後10年を偲び、ユナイテッドファンがさまざまな形で追悼した。

 ファンは、ベスト氏の背番号にちなんで前半7分、スイッチを入れたスマートフォンを掲げてスタジアムを照らした。ユナイテッドの背番号7は、史上最も才能豊かなウィンガーであるベスト氏の代名詞ともいえる番号になっている。

 スタジアムでは、「ただただ最高の選手、ジョージ」と書かれた横断幕も掲げられた。そして本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)の前に建つベスト氏、デニス・ロウ(Denis Law)氏、ボビー・チャールトン(Bobby Charlton)氏の銅像では、ベスト氏の像の足元にファンが手向けたバラの花が置かれた。

 北アイルランド出身の快足ウィンガーだったベスト氏は、ユナイテッドで通算470試合179得点を記録している。2度のリーグ優勝を経験し、1968年に行われたヨーロピアンカップ(European Cup)決勝のベンフィカ(Benfica)戦ではゴールを決めて、チームの欧州制覇に貢献すると、その年のバロンドール(Ballon d'Or)に輝いた。

 ところが、ベスト氏は次第にサッカーに集中することができなくなり、27歳でユナイテッドを離れた。その後の10年間でイングランド、スコットランド、北米などの各クラブを渡り歩いたが、どこも長続きせず、表舞台から姿を消した。

 ペレ(Pele)氏、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏、フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏など、往年の大選手からも史上最高の選手の一人とたたえられるベスト氏は、そのカリスマ性で人気を集めた一方、奔放な私生活も有名で、後年はアルコール中毒に苦しんだ。(c)AFP