【11月25日 AFP】英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)に対し、フランス・パリ(Paris)の同時テロ事件での銃撃の瞬間を撮影した映像を5万ユーロ(約650万円)で購入し、警察が暗号化した動画を解読するためにハッカーを使ったとの批判が出ていることを受け、同紙は24日、こうした批判に反論する声明を発表した。

 同紙が入手した映像は、銃撃を受けた現場の一つであるピザ店「カーサ・ノストラ(Casa Nostra)」に設置された防犯カメラが撮影したもの。外のテラス席が銃撃を受けた際に、客たちがとっさに身を隠そうとする様子が写っている。銃撃犯が目の前に迫りつつも、銃の故障によって幸運にも難を逃れた女性の姿もあった。

 ネット上で多くの人が視聴したこの映像の公開に関しては、事件の犠牲者に対して無神経だとするフランスの一部の人々から批判が噴出。また、公式な捜査に使われる慎重に扱うべき映像に金を払ったことへの批判の声も上がった。

 こうした批判に対し、デーリー・メール紙は声明で「ビデオ取得に関して、問題となるようなことは何もない。そのコピーを警察は既に所有していた」と反論。店のオーナーから見せられたビデオは、暗号化されていなかったと主張している。

 同紙はまた、映像を独占するために映像を記録したハードディスクを破壊させたとの疑惑も否定し、原物の映像はオーナーが保持していると説明した。(c)AFP